大相撲よもやま話5

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ちゃんこ料理って何?
 相撲部屋で若手力士、すなわち新弟子や付け人と言われるお相撲さんの玉子が作るちゃんこ鍋、今では、両国界隈もさることながら、名古屋、大阪、福岡などにもちゃんこ料理屋ができ、一般の人でも気軽に味わえる時代となりました。筆者も時々は両国にあるちゃんこ料理屋に行きますが、魚と野菜主体のちゃんこ料理が好きです。ちゃんこ料理といっても相撲部屋によって伝統と特徴があり、街中の料理屋でも様々です。ただ共通しているのは、おおむね「鍋料理」ということでしょう。5月のゴールデンウィークになると、両国にぎわい祭り(旅じゃCom2008.4.17付両国にぎわい祭り参照)では、歩行者天国となった大通りで各部屋のちゃんこが楽しめます。最近ではキムチ風とかカレー風などのちゃんこもあってバラエティに富んでいます。では、ちゃんこ料理とは一体どんな料理なのか?
 国技館に縁のあった祖父が話しをしてくれたことがあります。昔は回向院の境内で相撲協会の小屋掛から始まった相撲ですが、そこにある炊事場に働いていた人が大勢いたそうです。その多くは新潟県のほうから出稼ぎに来ていたようで、お相撲さんの食べるご飯を炊いたりしていたそうです。一口に飯炊きといっても米を研ぐ人、炊く人、薪を割る人、料理を作る人、野菜を洗う人、魚や肉を捌く人とそれはそれは大勢の人がいたそうです。何しろ、一つの相撲部屋だけでなく全体のお相撲さんに食べさせる量だから、想像をはるかに超えた量のようです。朝暗いうちから準備し、夜が明けるころには各部屋からお相撲さんがやって来て食べる。大方食べ終る頃を見計らって、働いている男たちの子どもらが「ちゃん、ちゃん」と言って来るのだそうです。
 「ちゃん」というのは昔から越後地方の方言で「お父さん」という意味なのだそうです。「ちゃん・ちゃん」と言っては来て、ご飯を食べて帰って行くのだそうです。だから、ここで働く男「ちゃん」が作る料理のことを言ったのです。そう、もうお判りでしょう、テレビで御馴染みのメロディ(しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん♪)で始まる『子連れ狼』の中で、大五郎が父親を「ちゃん」と呼んでいることに気がつくはずです。
 では、「こ」が余分ではないか? そんな疑問も出てきます。この頃多くのお相撲さんは東北地方の出身でした。このお相撲さん達は東北弁で話すと、言葉のおしまいに何でもかんでも「こ」をつけるのだそうです。魚っこ、肉こ、飯っこ、箸こ、下駄こ、べここ等々という具合だそうです。今でもそうだとは知りませんが、この時代の東北弁は「こ」がついたと言っていました。そこからここに出稼ぎに来ていた親父さんたちのことを「ちゃんこ」と呼び、ちゃんこの作る料理だから、ちゃんこ料理と呼ぶようになったそうです。ご飯や漬物の他には主に鍋物が主体だったことから「ちゃんこ鍋」となったようです。
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鍋料理のイメージ(上の店のものではありません)
 とどのつまり、「ちゃんこ鍋」とは親父さんの作る鍋料理のことで、別にこれといった特別な意味はなかったようです。筆者もそれを覚えていたので、ちゃんこ鍋にも色々なメニューがあることを納得していましたし、調理士の免許もいらず、若い新弟子がちゃんこを作ることも納得していました。こんな知識をもって「ちゃんこ鍋」を食べに行ってはいかがですか。
おしまい
投稿者:菊地正浩
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