最後の活躍を続ける名鉄パノラマカー

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先日、所用で名古屋に赴く機会があり、久々に名鉄の乗り歩きを楽しんできました。我が国の民鉄では第3位の営業距離を誇る名鉄は、車輌の形式数がとても多いことでも知られており(吊掛車も残存していた20年前頃に比べるとかなり整理されてきたとはいえ)、バラエティに富んだ車輌群はレイルファンを魅了してやみません。
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今回の旅行では2日間名鉄全線が乗り放題となる「名鉄電車2DAYフリーきっぷ」(3,800円)を利用して、空港特急ミュースカイ(今回初乗車)、10年ぶりとなる瀬戸線乗車、駅内での車輌撮影など丸2日間、名鉄電車と沿線名所をじっくり堪能してきましたが、なかでも特に一番印象深かったのは不朽の名車「パノラマカー」(7000形)でした。特別料金なしで見晴らし抜群の前面展望席に自由に乗れるのは全国はもとより世界でも例がなく、今なお人気の高い車輌です。これまで幾度となく乗っているのですが、何度乗っても飽きないすばらしい電車です。
1961年にデビューしたパノラマカーの最大の特徴は運転台を2階に上げ、1階部は客席とした構造で、その斬新さはレイルファンのみならず、一般客にも強烈なインパクトを与えました。さらに、横方向に連続した大型の側窓からも、“パノラマカー”の名に恥じぬ眺望が楽しめます。登場翌年には栄えあるブルーリボン賞(鉄道友の会会員による選定)を受賞、その後長らく名鉄のシンボル的存在として君臨してきました(小田急ロマンスカーの初の前面展望車輌3100形はこの翌年の登場)。また、ダークグリーン系の塗色が主流だった名鉄の中で、現在に至るまで標準色となるスカーレット(赤)を初採用したほか、ミュージックフォン(音楽警笛)の搭載など、様々な意味において名鉄電車の礎となっています。運行開始当初は、優等列車中心の運用であったものの、徐々に普通列車やローカル線区への進出も開始。名鉄内でのオールラウンドプレイヤーの地位を確立していくことになります。
長らく若さの衰えなかったパノラマカーも、車齢が40年を超えた頃から廃車が始まり徐々に数を減らしています。名鉄では2010年までの全廃を決定しており、乗車機会も今後急速に少なくなりそうです。
投稿者:小関秀彦
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