手漉き和紙の里(KK)

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手漉き和紙の里(10)~白糸村の三椏紙(みつまたし)~  by 菊地 正浩

  • 2009.06.17

芝川へ流れる清流  静岡県(駿河国)富士宮市白糸村は富士山頂から急斜面で南下、しだいに緩傾斜状となる平原で富士山の西南麓に位置し、北東部、北西部は山梨県に接している。北部郊外は広々とした高原地帯で日本有数の酪農地帯でもある。  富士宮は古くから駿河国一宮である富士山本宮浅間(せんげん)大社の門前町として栄えた。浅間大社は全国約1300社あるうちの総本宮で、ここからの富士登山コースが表口登山道となる。中央を閏井(うるい)川が北から南へと流れ、かつては駿河国と甲斐国を結ぶ交通の要衝として栄えた。富士山の雪解け水は溶岩流の地下水となって湧出する。  白糸の滝は幅約200m、落差20mあり滝の幅は日本 […]

手漉き和紙の里(9)~消えた海底(うぞこ)染色紙・障子紙~  by 菊地 正浩

  • 2009.05.19

 相模国愛甲郡高峰村大字角田・同海底(現・神奈川県愛甲郡愛川町)は、海底障子紙と言われたほどの和紙の里であった。神奈川県中央北部に位置し、西には丹沢山塊が連なり町の中央は宮ヶ瀬湖から中津川が流れる。この中津川流域を中心に丹沢山地の東に広がる扇状地である。地名は中津川の別名、鮎川に由来するといわれる。昭和30年(1955)、愛川町と高峰村が合併、同31年中津村を編入した。  奥の中津渓谷は景勝地であったが、宮ヶ瀬ダム完成(1996)により水没してしまった。西部の半原(はんばる)地区では養蚕が盛んで、絹糸の産地としては全国の80%を占めていた。ミシン糸の産地で「糸の町・半原」として知られる。さて、 […]

手漉き和紙の里(8)~再現なるか彦間紙~  by 菊地 正浩

  • 2009.05.14

飛駒の根古屋森林公園と梅林 ●飛駒村(ひこまむら)とは彦間川(ひこまがわ)からの地名  栃木県下野国(しもつけのくに)安蘇(あそ)郡飛駒村(現・栃木県佐野市)は、県南西部で群馬県と接し渡良瀬川の支流彦間川が流れている。ちなみに桐生田沼線(R66)を走ると桐生川ダムのある梅田湖に抜け桐生和紙の里に出る。明治22年(1889)、田沼(低湿地のためにつけられた地名といわれる)など8村が合体して田沼町となる。昭和29年(1954)、三好、野上の2村、同31年に飛駒と新合の2村を編入。2005・2平成の大合併で佐野市、田沼町、葛生(くずう)町が合併し今日に至っている。町域の大部分は足尾銅山のある足尾山地 […]

手漉き和紙の里(7)~消えた鷲(とり)ノ子紙~2  by 菊地 正浩

  • 2009.05.07

●観光振興を図る茨城県常陸大宮市・栃木県那珂川町  平成の大合併によりそれぞれが大きな町となった。水戸から郡山へはJR水郡線と国道118号線。国道293号線は太平洋から常陸太田市を通り那珂町から宇都宮方面へと貫いている。かつての手漉き和紙の里もほとんどが姿を消し、新しい観光産業を生んでいる。  JR水郡線の常陸大宮駅から郡山方面へ一つ目に玉川村駅(写真左)がある。「関東の駅百選」に選ばれた田舎の駅である。さらにここから国道293号を北西に行くと緒川村役場(現・緒川支所)の水準点がある。東京湾の平均水準を0として、千代田区永田町にある日本水準原点標庫が24.4140mと定められている。この緒川支 […]

手漉き和紙の里(7)~消えた鷲(とり)ノ子紙~1  by 菊地 正浩

  • 2009.05.05

●水戸藩指定紙漉き場と風車の弥七、女房お新の墓  茨城県常陸国(ひたちのくに)那珂(なか)郡嶐郷(りゅごう)村一帯(現・常陸大宮市)は、鷲ノ子和紙を漉く古い紙郷である。茨城県北部で西は栃木県に接し、八溝(やみぞ)山地の鷲ノ子山塊南東部にあり、大部分は2~300mの山に囲まれた山林である。那珂川と支流緒川の谷地平野に集落が点在する農山村である。合併の歴史を辿ってみると、昭和31年(1956)小瀬(おせ)、八里(やさと)、長倉(城址)、檜澤、の5村で緒川村、檜澤の一部と嶐郷村で美和村が誕生した。2004になり緒川村、美和村、大宮町、山方町、御前山(ごぜんやま)村の平成大合併により常陸大宮市となった […]

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