『篤姫』第48回「無血開城」

NO IMAGE

 うーむ、どうもこのドラマ終始一貫して、天璋院を中心に歴史を動かしたいようですね。静岡での山岡鉄舟と西郷の会見はすっ飛ばされてしまったし。宮崎あおいファンにとっては万々歳かもしれませんが、歴史ファンには消化不良に陥りつつあり、かえって固定の視聴者を失うことになりかねないのではと心配です。西郷と勝安房守の会見もなんか篤姫のマル秘アイテムで西郷が人前で泣き崩れ、江戸総攻撃を中止したようですが、そんな過去にこだわる西郷が果たして大物なのかという疑問も湧きます。
 西郷が京に戻ると、今度は大久保が江戸攻撃を主張していますが、これって大久保が唱えていた大坂遷都案と何か関係があるのでしょうか? あと史実では「3日だけ江戸城を立ち退きください」と天璋院を騙して大奥を終焉させるのがお約束だったのですが、これもまた勝が滝山にウソを云わせ、天璋院がそれをあっさりと見破っています。そしてこれも大河お約束でしょうか。天璋院が家定の位牌に詫びていると、家定の亡霊が登場。
 城を枕に討死せず、「徳川の心は残したい」などとご都合主義の思考を家定の亡霊のお告げにしてしまうなんてどっちらけです。やはり徳川の女として周囲の説得に応じず、江戸城を最後まで明け渡さなかった気概ある天璋院様のほうがかっこいいのですが、あおいちゃんにその頑固一徹の役割をさせることに抵抗あったのでしょうか。江戸市中の抗戦派旧幕府軍は蚊帳の外ですか。
 最後に大奥の女中すべては集まっていませんでしたが、まぁ位の高い人を集めて「この城を出ようとも大奥が消えようとも徳川の心は残る。誇りをもって子々孫々へ伝えよ」と天璋院が申し、江戸城を出る身支度をはじめます。一方、京に帰った幾島は小松にあい、天璋院の安否を気遣う小松に対し、「それほど気になるなら自分でおたしかめになるよよい。ご立派になった天璋院を目に焼き付けておけ」と天璋院に会うことを勧めます。次回はその小松と天璋院が再会し、今更ながら小松が自分の気持ちを打ち明けるようで、ラブロマンスとしては視聴率をとれそうですが、歴史家としては嗚呼、亀ちゃんの面倒みてくれよといいたくなるところです。
 あと毎度おなじみのこちらもどうぞ。
 史跡紀行では西郷と勝が対面したと伝わる東京都大田区の池上本門寺、港区の愛宕山、田町の勝海舟・西郷隆盛会談の碑などが登場しました。すべて訪れたことのある場所ですが、池上本門寺に西郷と勝の会見碑があることは知らず、撮りそびれていました。田町の会見碑とJR田町駅のスタンプは、以前の「スタンプ物語5・田町駅」でUPしたので割愛し、今回はJR大森駅のスタンプと池上本門寺山門の写真および愛宕山にあるNHK放送博物館のスタンプをUPします。
oomoristamp.jpg ikegamihonmonji.jpg atagoyamastamp.jpg
 残りあと2回ですが、四條たか子先生著の『天璋院篤姫と幕末を旅する』(一水社)を購入していない方は、ぜひこちらからご覧になって購入してくださいまし。
投稿者:管理人
【人気blogランキングへ】