ヨーロッパ鉄道旅日記(NW)

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アーカイブズ心の旅2 - 南仏 ”プロヴァンス” -  by にわ あつし

  • 2012.08.02

「ミストラル」  フランス国鉄が世界に誇った豪華列車。列車名の由来は「南仏・プロヴァンス地方に吹く風」。パリ~ニース間1088㎞を9時間10分、平均120k/hで走った。  オール一等の車内は、オープンとコンパートメントの座席車を始め、フルコースディナーを提供する食堂車、ブティックの付いたバー、それに理髪室などが設けられ、それらのすべてがとても上品に仕上げられていた。    私もこのミストラル号に3度乗車する機会があった。まるでヒッピーのような格好での鉄道一人旅。リッチな紳士淑女ばかりの列車内に少し緊張はしたが、列車内に流れる軽音楽に癒されながら、紺碧の地中海を眺め過ごした最高の列車旅であった […]

アーカイブズ・ヨーロッパ 心の旅1 - イタリア ”セッテベロ” -  by にわ あつし

  • 2012.07.21

「 セッテベロ 」  世界一豪華! とイタリア国鉄が誇った特急電車の名である。1953年、日本の東海道新幹線が開業する10年以上も前に、イタリアに登場したこの電車。モダンな球形の前後展望車、そしてオール1等の車内はまるで動く応接間であった。ゆったりとした淡いブルーの座席、絵の描かれた扉でカバーされた荷物棚、豪華に仕立てられた室内は、実に優雅な旅を演出してくれた。後に小田急ロマンスカーや、名鉄ビスタカー誕生のモデルにされたことはあまりにも有名だ。  「7つの美」の意味を持つこのセッテベロと初めて対面したのは1974年の夏である。スペインからの夜行列車を乗り継いで、かなり疲れ気味の私は、まだ目の覚 […]

フィンランド紀行 <後編> 『ヘルシンキ』への旅  by 大和 竜樹

  • 2012.05.12

 2012年の元旦はヘルシンキで迎えた。路面電車が走る中心地はコンパクトなので、500mほど歩くとバルト海の乙女像「ハヴィス・アマンダ」の噴水がある。さらに100mほど東に行くと、もうそこは海(エテラ港)だ。ヘルシンキの1月の日の出時間は9時20分頃であるが、10時半頃太陽が見えた。本日は1月1日(日)。初日の出だ。特に新年は祝わないらしく、なにもめでたい感じはしない。  マーケット広場のスオメンリンナ島行きフェリー乗り場にてチケットを購入する。往復で5ユーロ(約500円)だった。約15分でスオメンリンナ島に到着。スオメンリンナ島はフィンランドの南海岸を守る要塞のある島で、スウェーデン・ロシア […]

フィンランド紀行 <前編> 『ロバニエミ』への旅  by 大和 竜樹

  • 2012.05.08

 2011年12月29日(木)、友人と二人中部国際空港から時差7時間遅れのフィンランドの首都ヘルシンキに向けて飛び立った。ヘルシンキでの乗り継ぎに1時間しかなくてひやひやしたが、ネットの情報によると乗り継ぎ客は把握しているので、大丈夫と書いてあり、無事ラップランドの州都ロバニエミに到着した。しかし、到着後に会った日本人から前回行った時においていかれた乗客達がいて係員に抗議していたという話を聞いた。  翌日30日(金)、現地のツアーに参加した。英語ツアーオンリーである。まずはバスでトナカイ・ファームに出かける。もう10時過ぎているが、まだ日は昇らない。雪が積もったテントの中に入ると、サーメ人のシ […]

2009ヨーロッパ鉄道旅日記12  by にわ あつし

  • 2009.09.19

フロム鉄道  ベルゲンでの宿、グランドテルミナスホテルは、中央駅すぐ横。清潔に整えられたクラシカルな内装の部屋は、大変気持ちがよい。次の日は朝1番のベルゲン急行で今回の旅のハイライトである、ソグネフィヨルド観光に向かう。  ノルウェーのフィヨルドルートはいくつもあるが、ソグネフィヨルド観光の1番ポピュラーなコースを選ぶ。ベルゲンを出発して約2時間、残雪の残るミュルダールの駅に到着。この駅からソグネフィヨルドの入江の村フロムまで結ぶ路線が、世界の鉄道ファンが憧れるフロム鉄道である。  標高866mのミュルダールから標高2mのフロムまで、全長20kmの区間の8割が1000m進むと55m下る急勾配で […]