景観・暮らしを柱とする新しい観光地の在り方(MR)

☆☆「旅じゃ」現地取材旅行・・・伊豆の細野高原、石廊崎、松崎の景観を考える③  by 多賀 泰彦

  • 2013.10.26

2013年10月20日付寄稿記事に続く ●石廊崎が南伊豆のシンボルとして復活するように 南伊豆の石廊崎には、岬の周辺で進められていた東電の風力発電工事の進捗状況を見に何回か「旅じゃ」としても訪れた。残念ながら灯台をぐるりと取り囲むように風力発電の風車は完成してしまったが、訪ねた日には、肝心の風車が風がないのかあまり回っていなかった。風は風車の都合に合わせては吹いてくれないのである。石廊崎付近から見る山上の白い風車は周りの風景に溶け込めず、違和感だけが残こり、思わずため息が出てしまう。 石廊崎には観光上もう一つの課題があった。それは石廊崎に大手観光会社・岩崎産業の施設だった「ジャングルパーク」が […]

☆☆「旅じゃ」現地取材旅行・・・伊豆の細野高原、石廊崎、松崎の景観を考える②  by 多賀 泰彦

  • 2013.10.20

2013年10月13日付寄稿記事に続く   ●松崎の水門工事は着工されていないが    伊豆松崎町の那賀川河口の巨大水門計画は、東日本大震災前から計画され、「旅ジャーナリスト会議」や、機関紙「トルヌス」でも、たびたび取り上げられているテーマである。「那賀川河口水門を考える住民の会」を結成し、景観や自然環境面から反対している豊崎一雄さん(豊崎ホテル)を訪ねた。水門工事は行われてはいないが、県が白紙撤回していないので、町長側は進めているという。もともと東海地震を想定し、6メートルの高さの防潮堤と(防潮堤はすでに作られている)水門を計画し進められてきたが、那賀川の水門は漁船や遊漁 […]

☆☆「旅じゃ」現地取材旅行・・・伊豆の細野高原、石廊崎、松崎の景観を考える①  by 多賀 泰彦

  • 2013.10.13

    「旅ジャーナリスト会議」で注視してきた、東伊豆「細野高原・三筋山の風力発電」建設、南伊豆「石廊崎ジャングルパーク放置」問題、西伊豆「松崎港巨大水門建設」問題の成り行きを確認するために、秋の取材旅行(2013年10月7~8日)を行った。 (森田、菊池、稲葉、岡田、多賀、小川の6会員が参加)。    ●自然景観破壊の三筋山風力発電 三筋山の風力発電は、地元東伊豆町で運動を続ける藤井廣明さんの自宅でレクチャーを受けた後、クルマ数台に分乗し、細野高原に向かった。途中観光用のシャトルバスも利用し、細野高原からは、徒歩で三筋山の山頂(標高821m)まで登った。山頂から […]

クロマツのある風景ー市川市(2)   by 森田 芳夫

  • 2012.06.09

 江戸川をはさんで東京と隣接する千葉県の市川市の中心街には大小数千本のクロマツが植えられ、しっとりとした暮らしの景観が、そこかしこに見受けられる。  前稿で述べたように、クロマツは「市の木」に指定されている。自然豊かな文化都市としてのこの街の誇りはJR本八幡駅近くの市民談話室に設けられている「案内人」制度に示されていると言えよう。案内は無料、事前に依頼すれば用意された散歩マップを手に、案内人とともにテーマに沿ったルートをたどることができる。  その散歩へ誘うテーマは「文学」、「雑木林」、「屋敷街」、「川と橋」、「坂と史跡」「花どころ発見」ほか実に多彩である。ところが名物のクロマツを訪ねるコース […]

クロマツのある風景ー市川市(1)  by 森田 芳夫

  • 2012.05.24

 江戸川をはさんで東京にもっとも近い千葉県の街、市川は、関東大震災や東京大空襲以来、都内から多くの文人、作家、実業家がこの町に移り住み、近郊住宅地として開けてきた。  私はこの町に住んで40年、我が家から歩いて5分くらいのところに永井荷風終焉の家があり、北には幸田露伴が晩年を2年間過ごした家が徒歩圏内にある。故東山魁夷画伯の旧宅も20分くらいの東の丘の上にあり、生前歩いてお伺いしたことがある。  JR市川駅と本八幡駅の北側に広がる住宅地には迷路のよう路地がたくさんあり、路地の奥には古風な門を構え、土塀をめぐらした昭和初期を彷彿とさせる邸宅が今なお数多く見受けられる。ほとんどの屋敷内には見事なク […]