旅行ジャーナリズムとメディア(TG/AI)

『この夏はやはり東北を旅してみたい!』 ・・・ガイドブックに見るその状況  by 多賀 泰彦

  • 2012.07.15

< 旅行情報誌・ガイドブックに見る、2012年観光東北の状況 >  ●「るるぶ情報版」の記事が光っている 昨年の3・11東日本大震災以降も、震災以前の情報を載せたまま売られていた、東北関係の旅行情報誌と旅行ガイドブック。春以降に新版や今年度版が発行され始めたので読んでみた。 被災地を含む「東北」関係のものを見ても、三陸海岸の観光地のガイド記事が極めて少なく、さびしい限りである。掲載されているのは、比較的被害の少なかった宮古、松島ぐらいで、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼、南三陸、女川、石巻付近については、後述の特集以外、ほとんど掲載されていない空白の地域となっている。 今年度版を編集するにあたり […]

19世紀のガイドブックをめぐる訴訟事件 by 森田 芳夫

  • 2012.05.22

 長らく定期購読をしている岩波書店発行の「図書」、2009年7月号を久々に読み返した。ブルーガイドを始めとする旅関連書籍の編集歴40年の私に日は、非常に興味深く、また見過ごすことのできない解説が今、目に留まり、ある訴訟事件を思い起こした。 ベデカー『スイスSchweiz』表紙・ドイツ語版/1868年(明治元年)刊・改定11版  表紙には1836年版『外国人のための新パリ案内』(18版)というガイドブックの「表紙」があしらわれ、表二に宮下志朗氏(フランス文学・書物の文化史)による解説がある。  それによると、本書は1810年代に初版が出て、その成功に触発されて1827年に『真のパリ案内』なるもの […]