暮らしの風景

モンゴル草原横断録 -後編ー by 弘實 和昭

  • 2016.10.10

  ☆ お待たせいたしました。8月7日の記事(同タイトル前編)から続きます。   翌日は、ウラン・バートルから南へ580km、ゴビ砂漠を横断して南ゴビの中心都市ダランザドガドへと向かう。途中、中央ゴビ県のマンダルゴビで昼食を取る。まっすぐに走っている舗装道は新しく、かなり快適で凸凹もほとんどない。   澄み切った青空と緑の草原、白い雲と遠くのきれいな山並み、乾いた涼しい風。モンゴルの原野はすこぶる気持ちがよい。どんなに写真が下手な奴でも、撮った写真は部屋に飾って置きたくなるほどの出来栄えになってしまう。この風景では駄作を撮ることなど出来ないのだ。車を降りて新鮮な空 […]

モンゴル草原横断録 -前編ー  by 弘實和昭

  • 2016.08.07

  モンゴルにはまだ遊牧生活の人々がいる。地平線を背景とした広い草原に、牛、馬、ラクダ、羊、ヤギの5畜を野放し暮らしている。なんとも胸が躍ってしまうこの風景に一度は行きたい、地平線に囲まれたその大地に溶け込んでしまいたいという思いが若いころからあった。そしてその思いが、我孫子野鳥を守る会のメンバーが企画してくれたネイチャーツアーに参加することで実現した。草原に分け入り鳥を見つけるのが目的である探鳥ツアーであるが、草原の中での素朴な暮らしも垣間見ることができるはず。6月の緑濃い魅力的な草原の真っただ中へ行くのである。   期待の反面、モンゴルへ行くと決めた時にはかなりの不安が […]

タナ・トラジャ紀行・その(2) インドネシア・トラジャ族の葬式 -後編ー  by  堀 冬樹

  • 2016.07.24

7月4日掲載記事に続く     車は一路マリンボン村へと向かった。この辺りは盆地なので、窓外には実り豊かな水田が広がる。しかし天候はあまり良くない。3月上旬と言えば、同じインドネシアに有りながら、観光で有名なバリ島は、もう雨季はほとんど終わっている。しかしスラウェシ島は、まだ雨季の真っ最中のようだ。来た時期が悪かったかなあ!     9時15分に宿泊中のホテル、ルタ・リゾートを出発し、11時25分にマリンボン村に到着した。葬儀会場となる場所は、故サレス・サスさんの家の近くの広場だ。そこには急ごしらえの小屋が、大小8棟も建っていた。地面に柱を次々と打ち、簡 […]

タナ・トラジャ紀行・その⑴ インドネシア・トラジャ族の葬式 -前編ー  by  堀 冬樹

  • 2016.07.04

  セレベスの旧称で知られるインドネシアのスラウェシ島、その中南部高地に位置するタナ・トラジャ。 ここは南緯3.4度と、まさに赤道直下に有りながら、標高は800メートルと高く、夜半から早朝にかけては涼しい(やや寒いという人もいる)。   2016年3月前半、僕はこの地を再び訪れた。僕のタナ・トラジャ行きはこれが2度目で、前回は1995年6月上旬だった。よって21年ぶりの訪問である。まずこの地を訪ねる人が、是非とも見ておきたいのが、トラジャ族の「葬式」である。     [トラジャ族の葬式、ランブ・ソロ] タナ・トラジャの人口は約50万人で、人口の大半はトラ […]

隠された太陽-ふるさと高知の明け暮れ-  by 川村 太洋

  • 2015.02.20

    高知での生活を始めて少しずつ、私の心は上向いている。その一つには、こちらでの生活のリズムが、私の生理に合っているようである。   今は仕事もできるようになったが、東京にいた一時期、私は心労が重なり倒れていた。生活がまわらなくなり、一旦、故郷の高知に帰ることにしたのである。かくして、高知での生活が始まった。土地によって一日に、独特のリズムがあるが、東京と高知ではやはり違う。     私は今、高知のリズムに乗って生きている。そのリズムに合わせるように、私の心も動いている。私の一日の流れは南国高知では、太陽が大きく関係している。太陽が昇り始め […]