水上バスで東京散歩3

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●霊岸島の水位観測所跡
越中島、佃島の対岸に昔は「霊岸島」といい、東京湾の水位観測所があった。現在は逆三角形のモニュメントがある。明治6年(1873)に我が国の陸地の高さを測量するために設置されたものである。明治6年6月から12年12月まで東京湾の潮位を測り、その平均海面を0mとして決めたのである。この0mを基準として明治24年(1891)5月、東京都千代田区永田町1-1憲政記念館構内に日本水準原点を設置、ここを標高24・5000mと決め、我が国の陸地の高さを決める原点にした。大正12年(1923)の関東大震災後は三浦半島油壺験潮場に移転、同時に内陸部の不動と思われる地点からの、直接(一等)水準測量の平均値を検討した結果86㎜の修正が行われ、24・4140mと定められた。この日本水準原点を中心として全国の主な国道や主要地方道に沿って、一等水準点が約2km間隔、2万2000カ所に設置されている。このように霊岸島水位観測所跡は、我が国の陸地の高さを決めた草分け的な場所なのである。
●勝鬨橋~浜離宮恩賜庭園
水上バスは次の発着場、明石町・聖路加ガ-デン前に到着する。眼前には高層の聖路加病院やマンションが建ち並び、再開発により超近代的な都市に変貌した東京の姿がある。よく見ると、もうすぐ東京湾に出ようとするこの辺りにも遊歩道、公園、トイレなども整備されている。子どもを連れた人の散歩、ジョギング姿などが水辺利用の楽しさを映し出しているが、満潮時には水が上がるのであろうか、遊歩道にはくっきりと水の跡が見てとれる。
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発着場を出発してすぐに勝鬨橋を潜る。ここも船上のデッキで飛び跳ねると手の届くような高さになってしまったし、交通量も多くなったので船のために橋を開けなくなってしまった。だから低い船しか通行できなくなったのである。
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移転が決まっている築地魚市場(写真左)を横目に見ながら、浜離宮恩賜庭園発着場へと来る。浜離宮恩賜庭園は防潮堤で護られているので、水門(写真中央)を潜らなければならない。水上バス一隻がギリギリ通行できる水門で、この日現在の「水深4.1m」(写真右)と電光掲示板に表示が出ている。水上バスはしきりに警笛を鳴らし、ゆっくりとした速度で水門を通り発着場に向う。水門の中では他の水上バスが出るために待機している。入るも出るも一隻ずつしか通れない水門なのである。浜離宮恩賜庭園ではそんな船の光景を眺めたり、散策を楽しむ人たちが手を振ったりしている。
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パート4につづく
投稿者:菊地正浩
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