三浦半島油壺湾3

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●21世紀の水「海洋深層水」
 近年、様々な分野から「海洋深層水」が注目されている。これは、大陸棚より沖合いで光合成に必要な太陽光が届かない、水深200m以上のところにある海水である。極海の海域で冷えて比重が重くなった海水・ブルームが、海底に沈みこみ長い年月をかけて、一度も大気に触れず何世紀もかけて地球を回っていると言われる。低音で細菌がなく生物に必要なミネラル等を豊富に含んでいる。飲料水、食料品、医療、健康、水産業、エネルギー等々多方面での利用が期待されている。油壺の取水設備では、三浦沖約5㎞、水深330mから取水した海洋深層水は原水、ミネラル水、塩水、淡水、ミネラル塩水の5種類に分けられる。このような施設は試行も含めて全国に約30カ所あるが、ここは相模湾で陸地より至近の海底から取水できるという利点がある。
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海洋深層水露天風呂効用書と名物マグロ丼1200円
●海洋深層水の利用例
 京急油壺マリンパークに隣接して、海洋深層水の取水施設がある。その隣りのホテル京急油壺観潮荘では、海洋深層水の露天風呂があり、日帰り入浴もできる。1DAYフリーきっぷを提示すると、入浴料1000円が2割引となる。この露天風呂の特徴は、海風を吸入する「空気浴」、太陽の光を浴びる「日光浴」と海洋深層水による「海水浴」を同時に行える。この温浴はタランソラピー(海洋療法)としても優れているといわれ、アトピー性皮膚炎などに効用があるとされる。色々な入浴方法が楽しめるが、実際にちょっと舐めてみると正しく塩味である。その他、海洋深層水を利用した飲料水や健康食品、日本酒、焼酎、水産加工品、お菓子類等々お土産品も豊富である。21世紀健康志向の高まるなか、海洋深層水の利用が注目されるであろう。海に囲まれた島国の日本だからこその研究開発であり、大いに期待したいと思う。
●おわりに
 旅ジャーナリスト会議では、旅と地球温暖化というテーマに取り組んでいる。海面上昇による色々な出来事も報告されているが、今回、水位観測をしている油壺験潮場を訪ねたところ、思わぬ副産物を得た。海洋深層水である。これからも、海面上昇について注目していくとともに、海洋深層水の行く末にも関心を高めて行きたいと思う。
おしまい
投稿者:菊地正浩
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