鉄道で巡るヨーロッパ心の旅2

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出発の舞台は駅。ヨーロッパ大都市のターミナル駅は、大屋根のある巨大な空間の行き止まりスタイルが多いです。「中央」と名の付く駅はほとんど行き止まり式で、列車は到着すると反対向きで発車して行きます。そのなかでも、アーケードスタイルの光の入るドーム屋根には圧倒されます。
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歴史の深さを物語る古い鉄骨と、幾何学模様の大屋根。その下に数メートル四方はある大胆で斬新な広告が、幾重にもぶら下がって構内を飾るパリの駅や、ホームの各支柱に薄型テレビを備え付け、広告を発信しているイタリアの駅など、時代物の中に最新デザインがマッチングしている駅の姿はすばらしく、つい目を奪われます。古い物を新しくしても、他の物との調和が取れなく、けばけばしい宣伝広告が、無秩序に貼られている日本の駅と比べると、古き伝統の中に新しさを調和させ、美しく表現するヨーロッパの国々の街創りのセンスに感心します。
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行き止まり式ホームには、最新型高速列車や、年代物の機関車や客車が、カラフルな塗装で並び、鉄道ファンでなくても、旅人の目を引きつけます。駅の広い構内の周りには、ファーストフードやカフェ・レストランをはじめ、キオスク、銀行など、旅に欠かせないショップが並んでいます。とくにサンドウィッチなど軽食を売るファーストフードの店が多いですね。
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表玄関は駅の顔。壮大で、まるで博物館を思わせるような、歴史的建造物が多く、パリのSNCF国鉄の駅もほとんどが、威厳ある駅舎です。リヨン駅もその一つで、正面にそびえ建つ時計塔が、歴史の深さを物語っています。リヨン駅は、その名の如く、フランス第2の都市リヨン方面、南仏への出発駅。また、スイス方面への列車の出発駅でもあります。
ヨーロッパでは、行き先方面の都市名が、始発の駅名に使われている都市があります。ホームが36番線まであるリヨン駅の、構内に置かれた大きなシュロの木が、コート・ダジュールへの旅の夢を誘っています。初めて南仏に走った豪華列車の名にちなんだ、ベルエポック調の高級レストラン「トラン・ブルー」も、同駅構内にあります。TEE(ヨーロッパ横断特急)全盛の頃、フランス国鉄の誇る、世界一の豪華列車と言われたミストラル号も、このリヨン駅のホームから、バカンスの夢を抱く客を乗せて、南仏ニースに走っていました。
私も何度か乗り、軽音楽の流れるバーで、地中海に沈む夕日を眺めながら過ごした、至福の時を思い出します。現在も、昔と変わらないアーケードのホームに、オール2階建ての最新型TGVデュープレックスをはじめ、多くのTGV高速列車が並んでいます。パリからヨーロッパの国々に出るベース地として、このリヨン駅付近がお勧めですね。パリ・シャルル・ドゴール空港からエアフランスのバスも発着。ホテルも、隣接しているメルキュールホテルをはじめ、スタンダードですがリーズナブルなホテルが多いです。また、パリ市内観光へは、たとえば、エトワール凱旋門までは、地下鉄が乗り換えなしの一本で行けるし、セーヌ河沿いに散歩がてら30分も歩けば、ノートルダム寺院に着く好立地です。ヨーロッパのターミナル(終着駅)は、さながら映画の舞台のようです。改札口もない、ホーム前の構内のベンチに腰掛け、リズミカルな音楽の流れるなか、別れを惜しみ抱擁するカップルや、行き交う旅人を眺めていると、日本の駅にはないノスタルジーを感じますね。次は列車に乗って出発です。パート3につづく
投稿者:にわあつし
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