鉄道で巡るヨーロッパ心の旅9

NO IMAGE

switzerland-train.jpg bern-streetcar.jpg
「ミストハウス、カンデルシュテーク!」
スイス国鉄の車内放送は、女声の歯切れよいアナウンスで、カンデルシュテーク到着を知らせます。ドイツ国境近く、スイス北の端シャウハウゼンから、チューリッヒ、ベルンと経由し3時間あまり。ベルン州ベルンルナーオーバーランドの南端、あと1時間も乗ればイタリア国境という、手前の小さな町カンデルシュテークに到着しました。ホームに降りると、ブリュームリスアルプス高峰の谷間から漂う冷気が、身体全体を包み込み、暑さ続きだったドイツの旅から、一転して爽快な気分です。いつも常宿にしているホテルの主人が、愛嬌たっぶりの笑顔で、ホームまで迎えに来てくれました。
観光国スイスはアルプスの山々と、そこから流れ出す川や澄みきった湖、囲むように広がる緑。そして、景色に染まるように点在する美しい街並みは、誰もが憧れる世界ーの観光国を構成しています。
スイスの鉄道はとても速く、しかも清潔で快適。ヨーロッパでは、日本だと県境を越える感覚で、次々と国を移り行くのですが、とくにスイスに入国し、スイス国鉄の車両に乗ったとたん。なぜか、ホッ!と安らぎ、旅の疲れが抜けて行く気分になります。私自身、今まで幾度となく、このスイスを出入国した体験から感じるのかもしれませんが、これも鉄道旅ならではの感触ですね。
スイス国鉄は列車運行も正確で、発着時間の間隔も一定に定められ、大変覚えやすくなっています。構内やホームの列車時刻表には、発車が黄色、到着が白色で掲示されていて、旅行者にも一目瞭然です。
two-stories-train.jpg oeschinen-lake-lift.jpg
チューリッヒ・ベルン間などの主要路線を結ぶIC特急は、車内もお洒落な総2階の列車となっており、子ども向けにレイアウトされた、キッズ車両が連結されている列車もあります。これは見ているだけで楽しくなってしまいます。
スイスでは4日間、この谷間の街カンデルシュテークに滞在しました。翌朝は澄み切った快晴の空で、宿から徒歩15分ほどにあるリフト乗り場から、リフトで約15分。山の急斜面を擦るように上りながらの風景は、2000メートル級の山の岩肌が連なるパノラマでした。山から流れ落ちる滝の音と、小鳥のさえずる声以外は聞こえないくらい、静かで豊かな時間が流れていきます。
oeschinen-lake1.jpg oeschinen-lake2.jpg
リフトを降りて、放牧されている牛たちを横目に、整備されたハイキングコースを歩くこと30分。「アルプスの宝石」と称するエッシネン湖に到着しました。そびえ立つ山の岩肌と、神秘的なブルーの湖面の織りなす世界。私たち全員、時が止まったように、呆然と湖を見つめていました。このエッシネン湖は、何度訪れても、「スイスのすばらしさここにあり」と、感動させてくれる景勝地です。
パート10につづく
投稿者:にわあつし
人気blogランキングへ
菊地正浩会員NHKラジオ出演情報(10月30・31日)はこちら
2007年後期セミナー(12月1日)の情報はこちら