ヨーロッパ鉄道心の旅・クリスマス編1

NO IMAGE

tgv1.jpg
ヨーロッパ鉄道心の旅は、ホットなクリスマス編です。世の中は今、クリスマス一色ですね。本場ヨーロッパの11月末頃から始まるクリスマスシーズンに合わせ、かねてから楽しみにしていた、フランス・TGV東ヨーロッパ線の高速営業運転世界一TGVに乗車。フランス・アルザス地方の中心都市で、クリスマス市で賑わうストラスブールと、ルネッサンス時代の木骨組みの町コルマールを訪ねました。
parihigashieki4.jpg parihigashieki5.jpg
11月のヨーロッパは、日照時間が短かく、天候も不安定。朝の7時はまだ真っ暗闇です。日曜のせいか、パリ東駅に向かう地下鉄は、大変空いており、ゆったりと移動。新線開業とともに化粧直しされた東駅コンコースは、日本の都市の駅のように明るい照明はありません。1849年に開業し、150年の歴史と風格をもつ駅舎内は、最新の列車案内板や斬新な広告などのインテリアが自然に調和されており、ヨーロッパデザインのすばらしさを物語っています。
乗車する7時24分発のシュツットガルト行きのTGVは、5番線ホームで発車時間を待っていました。30番線まである広い大ホームの列。そして私の乗るシュツットガルト行き10両編成のTGVは、多客時間帯なので、ストラスブール止まりの10両編成TGVが連結され、なんと20両もの長大編成です。列車案内の駅員に、チケットを見せて乗車。ステッブを上がり、予約してある1等車の指定席に座ります。
1tosyanai.jpg 2tosyanai.jpg buffet.jpg
1等のシートは、グレーの配色のシート並びに、4席ほど薄いグリーンのシートが、不規則にアクセントを付けています。床のマットフロアーは、大理石模様を施す、とてもシックな内装。片側2列・1列の座席の、テーブルを照らすスポット照明や車内の照明も、大変柔らかく、落ち着かせてくれます。車内を仕切る壁は大胆な紫色。1等のシックな内装に比べ、2等は片側2列づつの席配置。紫色のシートの並びにオレンジ色のシートが不規則に配列された、大胆かつモダンな配色。何となくウキウキさせてくれる車内です。
これら、東ヨーロッパ線TGVのインテリアデザインは、フランス・ファッションデザイナー、クリスチャンラクロアが担当したようで、もう一つの車両であるビュッフェは、カウンターやテーブルの色も紫。そしてビュッフェの名前が「すべてすばらしい」という、自信たっぷりの車内店名なのです。
TGVは時刻どおりに、パリ東駅を発車。まだ暗い、パリ郊外の星を散りばめたような、周りの電灯の光の中を、速度を増して進みます。ストラスブールまで450㎞、2時間20分。速度320km/hの営業運転は世界一の速さです。日本の新幹線も、東海道では最高時速は270km/h。300km/hを出せる、500系やN700系も、最高速度を発揮できるのは、山陽新幹線の一部区間だけで、この東ヨーロッパ線TGVは、今や高速列車を走らせている国々の頂点にたっているのです。最高時速330km/hを誇るドイツICE-3も、この東ヨーロッパ線でパリに乗り入れ、320km/hの速度で運転しており、ドイツもフランス同様に、世界一になっています。車窓の景色が薄明るくなるなか、TGVはまっすぐに延びるシャンパーニュの田園地帯を、320km/hの速度で走り抜けて行きます。その感覚は旅客機が飛び上がる時に似て、音や振動は少ないものの、「早い!」の一言に尽きますね。
景色の移り変わりが早く過ぎる割りに、静かな乗り心地に感動しているやいなや、TGVはもう高速線を降り、ストラスブールの町に近づいてきました。
パート2につづく
投稿者:にわあつし
人気blogランキングへ