北海道の動物たち(第4回ゴマフアザラシ)

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ネコ目アシカ亜目アザラシ科。体長160~170㎝、体重70~130kg。「ゴマちゃん」として人気のある、北海道ではもっともよく見かけるアザラシ。名前のとおりゴマのように見える文様が特徴。冬になると流氷と共にやって来て、氷の上で出産・育児を行い、流氷が消滅すると北上していく個体が多いが、道東の風蓮湖や野付半島などに留まる個体もいる。
 私はアザラシが好きだ。三度の飯より好きかと聞かれると難しいが、アザラシマニアを自負し、毎年のようにアザラシに会うために北海道へ行っている。この5年間で会えなかったのは07年だけで、マニア内では“アザラシの聖地”と呼ぶ紋別市の「とっかりセンター」へは3回詣でている。とっかりとはアイヌ語でアザラシを意味し、ここにはゴマフアザラシの他、アゴヒゲアザラシ、ワモンアザラシ、クラカケアザラシがいる。漁網に掛かったり迷子になった仔アザラシを保護し、リハビリの後海へ還すという活動を行っている国内唯一のアザラシ専門保護施設だ。しかし全部が海へ還ることができる訳ではなく、自然復帰できない個体はここで展示・研究動物として暮らしている。
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 動物園や水族館で人気者のアザラシだが、漁師たちの間では厄介者とされている。彼らは餌となる魚を追いかけているうちに漁網を破ったり、魚を食い散らかすなどして害獣として扱われてしまうのだ。彼らには悪意などまったくなく、また彼らは漁網に引っ掛かってしまうと命を失うことにもなる。稚内市の抜海港では多くのゴマフアザラシが越冬し、近年それを見に来る観光客が増えている。観光資源でもあるゴマフアザラシだが、彼らと漁師たちの共存はなかなか難しいようだ。
第5回タンチョウ(8月18日)につづく
投稿者:渡邊恵美子
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